出品は、MARK LEVINSON DAC No 30.6L 付属オリジナル AC/DCケーブル4本 ( PS電源用・デジタル DC用・ アナログDC用 × 2）セット。全ケーブルは分解整備した後、LEMO端子とケーブルの結合部分を熱収縮チューブで再補強した。

ケーブル端子を分解した折に分かったことだが、 LEMO5極端子を装着したオリジナル・マルチコアー・ケーブルの内蔵芯線は5極（5本）ではなく、8極（8本）であった。このことから、設計当初、8極マルチケーブルの使用を既に決めていた事を伺わせる。アナログDCとデジタルDCの並列同軸伝送を考えていたと推察する。本体ユニット左右チャンネルのDC電源をセパレート方式とし、デジタルDC電源ラインとアナログ電源ラインを1本のマルチケーブルに集約しようというアイデアだったのだろうか？その後、開発途上で変更がなされたのだろう。アナログとデジタルを分離することの方が大事だという考えにシフトしたのか？同軸構造での解析テストでデジタル・ノイズの存在とグラウンド・ループを厄介視したのだろう。オリジナル・ケーブルでは内蔵芯線8本中、3本が無結合のまま遊んでいる。

放出の理由は、30.6L 付属オリジナルケーブル4本全てを、自作のWE（単線）ヴィンテージ・ケーブル（ 色文字をクリックするとリンク） に換装したので不要となった。 WEケーブルとの比較で言えば、オリジナル・ケーブルの音質は悪くなかった。WEケーブルより温度感はクールだが、オリジナル・ケーブルは「撚り線」構造なので響きに厚みがあり、柔らかくゴージャスな印象である。倍音の棚引く感じや余韻の消え方も申し分無い。立派な音質であると改めて思った。